Intel NUC 11 Performance Kit(NUC11PAQi7)
開発コード名「Panther Canyon」こと「Intel NUC 11 Performance Kit」は、第11世代Coreプロセッサ「Tiger Lake」を搭載する新世代のIntel NUCだ。今回、同シリーズのCore i7-1165G7搭載モデル「NUC11PAQi7」を試す機会が得られたので、新世代NUCの機能や性能をチェックしてみた。
Tiger Lakeの採用でPCIe 4.0に対応した「NUC11PAQi7」
NUC11PAQi7は、CPUにTiger Lakeベースの4コア8スレッドCPU「Core i7-1165G7」を搭載したベアボーンPC。GPUにはCPU内蔵の「Iris Xe Graphics」を採用しており、メモリとSSDを追加することでPCとして機能するベアボーンキット。筐体サイズは117×112×56mm(幅×奥行き×高さ)。
NUC11PAQi7。Intel NUC 11 Performance Kit(Panther Canyon)シリーズの上位モデルだ
本体のカラーリングは黒で統一されている
CPU-Z実行画面。4コア8スレッドCPUのCore i7-1165G7を搭載している
GPU-Z実行画面。CPU内蔵のIris Xe Graphicsが利用できる
NUC11PAQi7の外装
前面パネルには、USB 3.1、Thunderbolt 3、ヘッドセット端子、電源スイッチを備えており、背面パネルにはHDMI 2.0a、Mini DisplayPort 1.4、Thunderbolt 3、 USB 3.1(2基)、電源入力端子を備える。また、左側面にはSDXCカードスロット(UHS-II対応)、右側面にはセキュリティスロットを備えている。
充電マークがあしらわれた天板には、最大15W出力のワイヤレス充電器が内蔵されており、Qi対応端末を設置することで充電を行なうことができる。充電器が内蔵されている天板中央部分はゴムパッドは貼られており、充電中の端末の滑り止めとして機能する。
前面パネル。USB 3.1、Thunderbolt 3 ヘッドセット端子、電源スイッチが配置されている
背面パネル。HDMI 2.0a、Mini DisplayPort 1.4、Thunderbolt 3、 USB 3.1(2基)、電源入力端子が配置されている
左側面。UHS-II対応のSDXCカードスロットを備える
右側面。セキュリティスロットを備える
天板。Qi対応のワイヤレス充電器(15W)が内蔵されており、滑り止めのゴムパッドが貼られている
底面。ゴム足と一体になっている4カ所のねじを外すと、ケース内部にアクセスできる
NUC11PAQi7への電源供給は、付属の120W出力(19V/6.32A)対応ACアダプタで行なう。ACアダプタのサイズは140×74×20mm(同)の薄型仕様だが、NUC本体と並べると大きく見える。
NUC11PAQi7付属のACアダプタ。120W出力(19V/6.32A)が可能な薄型タイプ
ACアダプタのサイズは140×74×20mm(幅×奥行き×高さ)の薄型仕様。NUC本体と並べると大きく見える
NUC11PAQi7のケース内部
NUC11PAQi7のケース内部には、底面パネルを取り外すことでアクセスできる。底面パネルと本体の間は、SATAデバイス接続用のフレキシブル基板で接続されている。それなりの長さが確保されているので作業性は悪くないが、開閉時に断線させないよう注意したい。
本体側には、DDR4-3200のデュアルチャネル動作に対応するSO-DIMMスロット2本と、PCIe 4.0 x4接続に対応したM.2スロットが実装されている。一方、底面パネルには、7mm厚の2.5インチドライブを固定できるスロットと、M.2 SSD冷却用のヒートシンクがを搭載している。
底面パネルを外して、ケース内部にアクセスしたところ。底面パネルと本体はSATA接続用のフレキシブル基板で接続されているので、取り扱いに注意
本体側内部。DDR4-3200対応SO-DIMMスロット×2本と、M.2スロットが実装されている
底面パネル。7mm厚の2.5インチドライブを取りつけられるスロットと、M.2 SSD冷却用ヒートシンクを備えている
M.2スロット付近には、Wi-Fi 6とBluetooth 5.2を提供する「Intel Wi-Fi 6 AX201」が実装されていた
前述のとおり、M.2スロットはPCIe 3.0 x4接続の2倍速となる約8GB/sを実現するPCIe 4.0 x4接続に対応しており、M.2 2280サイズのSSDを搭載できる。実際に、PCIe 4.0 x4接続のSamsung SSD 980 PROの512GBモデルを搭載してベンチマークを実行したところ、リード約6.5GB/s。ライト約4.8GB/sというPCIe 4.0 x4接続ならではの速度を記録した。
M.2スロットには、M.2 2280サイズのSSDを搭載可能で、PCIe 4.0 x4接続に対応している
Samsung SSD 980 PRO搭載時のCrystalDiskMark実行結果。OSがインストールされているためリード速度はスペック値に届かないが、PCIe 4.0 x4接続ならではの速度を実現できた。
Tiger Lake搭載NUCの性能をベンチマークテストでチェック
NUC11PAQi7が実現する性能を確認するため、いくつかのベンチマークテストを実行してみた。テストにさいして、NUC11PAQi7には、DDR4-3200動作の16GBメモリ2枚と、PCIe 4.0対応SSD「Samsung SSD 980 PRO(512GB)」を搭載した。そのほかの条件などについては以下の表のとおり。