価格
| 14万9,800円から SoCはA16 Bionic。高性能×2+高効率×4、5コアGPU、16コアNeural Engineを内蔵する。構成自体はA15 Bionicと変わらないものの、トランジスタ数が増えたり、速くなったり、メモリの帯域幅が広くなったり、ISPが進化したり、より電力効率が良くなったり……など、A15 Bionicより進化した。メモリは非公開だが6GBと変わらず。ストレージは128/256/512GB/1TB。OSはiOS 16を搭載。 ディスプレイは6.1型OLED(2,556×1,179ドット)。若干だが13 Pro(2,532×1,170ドット)より増えている。460ppi、広色域ディスプレイ(P3)、ProMotion(10Hz~120Hz可変リフレッシュレート)、最大輝度1,000cd/平方m(標準/ピーク2,000cd/平方m)/1,600cd/平方m(HDR)。HDR時が1,200cd/平方mから明るくなった。そして常時表示ディスプレイ対応。これまでロック画面は普段消えており、タップするなどで表示していたが、何もしない時でも常時薄っすらロック画面が表示可能となる。 ネットワークはWi-Fi 6対応、Bluetooth 5.3、NFC(FeliCa対応)。SIMはNano SIMカードスロット×1、eSIM×2(1つNano SIMと排他)。対応するバンドは表をご覧頂きたいが、5G対応だがミリ波には未対応のままだ。とは言え、未だに使えるエリア/サービスは限られるので特に問題はないだろう。また13 Proの表と比較しながらスペックを書いているのだが、5G NRのn14、n26、n53、TD-LTE 53が増えている。 インターフェイスはLightningコネクタのみ。今となってはちょっとレトロでハイエンドには見合わない感じだ。USB Type-C対応が望まれる。 センサーはFace ID、LiDARスキャナ、気圧計、ハイダイナミックレンジジャイロ、高重力加速度センサー、近接センサー、デュアル環境光センサー。これも若干変わっており、13 Proでは3軸ジャイロ、加速度センサー、環境光センサーだった部分が強化されている。 カメラは、前面1,200万画素、f/1.9。f/2.2から明るくなった。背面は、広角が4,800万画素、24mm、f/1.78。画素数が4倍、焦点距離が26mmから24mmへ、f/2.8からf/1.78へと大きく変わった。おそらく13 Proと比較して1番変化の大きい部分はここかと思われる。4,800万画素は通常そのまま使うのではなく、4つのピクセルを1つとして扱うため実際は1,200万画素となる。Android搭載スマホではよく見かける手法だが、iPhoneでは初だ。 超広角は1,200万画素、13mm、f/2.2。ここはなぜかf/1.8から暗くなった。望遠(x3)は1,200万画素、77mm、f/2.8と変わらず。加えて広角の4,800万画素を活かしデジタルズームで望遠(x2)を搭載。1,200万画素、48mm、f/1.78。広角は広過ぎ、望遠x3では近過ぎと言ったケースに役に立つだろう。 防塵防水IP68に対応し、サイズは71.5×147.5×7.85mm(幅×奥行き×高さ)/206g。気持ち増えている。バッテリ駆動時間は、ビデオ再生最大23時間/ビデオ再生(ストリーミング)最大20時間/オーディオ再生最大75時間。ビデオ再生最が1時間ほど伸びた。MagSafe/Qiワイヤレス充電、高速充電(約30分で最大50%)に対応。 カラーバリエーションは、スペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープルの4種類。価格は128GBモデルで14万9,800円。円安の影響もあり当時の13 Pro/128GBの価格12万2,800円より2.7万円ほど高くなっている。また先日アプリストアの価格が120円から160円になることが発表された。ことPC業界に(限らないが)関しては、今後も円安の影響が懸念される。 パネル中央上に前面カメラ。ノッチではなく、長細い楕円になった 背面。届いたのはスペースブラック。左上にカメラ群 左/下。左側面に消音ボタン、音量±、SIMカードスロット。下側面にスピーカーとLightningコネクタ 右側面に電源ボタン。上側面は何もない Nano SIMスロット付近。物理的なSIMスロットは1つ 重量は実測で209g 付属品。Type-C/Lightningケーブルのみ。イヤフォンやACアダプタは付属しない ロック画面常時表示(左)/通常表示(右)。常時表示でもそれなりに明るいのが分かる。写真などを背景にすればいい感じになりそうだ iPhone 13 Proとの比較/前面。前面カメラ周辺が違いとなる。13 Proは幅も違うが、上まで黒いのでDynamic Islandに対応できない iPhone 13 Proとの比較/背面。少し分かりにくいが14 Proの方がカメラ部分が大きい 手元に届いたのはスペースブラック。13 Proはグラファイトなのだが、比べるともっと黒い。サイズ/重量は13 Proが71.5×146.7×7.65mm(同)/203gに対して14 Proが71.5×147.5×7.85mm(同)/206gと、気持ち大きく重くなっているが、この程度の差であれば持った感じは変わらない。重量は実測で209g。 前面はパネル中央上に前面カメラ。今回形状が変わり、ノッチではなく長細い楕円形となりDynamic Islandを可能にしている。またバッテリアイコンに残%表示復活。左側面に消音ボタン、音量±、SIMカードスロット。下側面にスピーカーとLightningコネクタ。右側面に電源ボタン。上側面は何もない。背面は左上にカメラ群があるが、レンズ部分が更に大きくなっている。付属品はUSB Type-C/Lightningケーブルのみ。 6.1型OLEDディスプレイは、2,556×1,179ドット/460ppi。通常時の見え方は変わらないが、HDRが最大1,600cd/平方m、また直射日光下でも見やすいように最大2,000cd/平方mとなった。そしてロック画面の常時点灯可能。これはあるのとないので大きく違う。欲しかった人にはうれしい機能だろう。 発熱はベンチマークテストを連続作動すると少し熱を持つが、通常用途だと少し暖かくなる程度。昨今のハイエンドSnapdragon搭載Androidスマホよりはかなり温度は低めだ。 サウンドは横位置でステレオ対応。音質/パワー共に十分。3.5mmジャックがないので純正のLightning/3.5mmアダプタとSONY MDR-EX800STを使い視聴したところジャンルを問わず良く鳴る。スマホとしてはトップクラスと言えよう。 認証は相変わらずFace ID(顔認証)のみ。iOS 15.4以降、マスクをしたままでもOKとなったものの、サングラスや(強めの)ブルーライトカットありのメガネをしていると機能しない。 以上のように、13 Proと比較してボタンなどのレイアウトは同じ、サイズ/重量もほぼ同じだが、前面はカメラ周辺、背面もカメラ周辺がそれなりに異なる。ロック画面常時表示が目新しいポイントとなるだろうか。 4つを1つとして扱うメインの4,800万画素センサーとデジタルズームによる望遠x2を搭載 カメラは、前面1,200万画素、f/1.9。背面は、広角が4,800万画素、24mm、f/1.78。センサーサイズは13 Proより65%大きくなった。4,800万画素は通常そのまま使うのではなく、4つのピクセルを1つとして扱うため実際は1,200万画素となる。もちろんProRAWでは4,800万画素のまま現像可能だが、従来機種よりファイルサイズが大きくなるのでストレージ容量に注意しなければならない。 超広角は1,200万画素、13mm、f/2.2。望遠(x3)は1,200万画素、77mm、f/2.8。そして望遠(x2)を搭載。1,200万画素、48mm、f/1.78が追加された(4,800万画素からのデジタルズーム)。 出力解像度は前面2,316×3,088ピクセル、背面は全ての焦点距離(ポートレートモードも含む)で3,024×4,032ピクセル。 そのほか改善/追加機能としては、フラッシュライトが焦点距離に合わせて光量を調整、ポートレートは前ボケ対応、動画のアクションモード、映画っぽい4K/24fpsに対応、画像から文字のコピペ、画像の切り抜きなど。 フラッシュライトは使わないので気付かなかったが、これまでやってなかったの的な感じだ。ポートレートの前ボケはこれまで不自然だったので嬉しい改善ポイント。アクションモードは4Kの映像を切り出し最大2.8K/60fpsまでに対応、ジンバル並の手ブレ補正機能と強力なものだ。画像から文字認識しテキストとしてコピペ、被写体長押しによる切り抜きなどは、かなり便利。ただし文字認識に関しては縦書きはNGなのが残念なところ。映画っぽい4K/24fpsにも対応。この24fpsは個人的に割と好きでデジイチの動画などでもよく使っている。なお、前ボケ、画像から文字のコピペ、4K/24fpsはiPhone 13でも機能する。 カメラ。左下が望遠、左上が広角、右が超広角 13 Proとの比較。14 Proでは更に大きく、そして高さがある 作例 ※元サイズの画像が開きます 超広角(13mm) 広角(24mm) 望遠x2(48mm) 望遠x3(77mm) モードは、タイムラプス、スロー、シネマティック、ビデオ、写真、ポートレートモード、パノラマ。写真とポートレートモードは2xが使えるようになった。扱いやすい画角で作例でも多用している(動画ではビデオとタイムラプスが使用可能)。 カメラ/写真。2xが増えている カメラ/ポートレート。ポートレートモードでも2xが使える 写真アプリ/被写体(マクロ撮影)長押しで切り抜きが出来る 切り抜いた写真をペースト 以下作例を日中、夜景、人物(前面と背面:広角/望遠x2)と計27枚掲載する。基本写真モードで超広角/広角/望遠2x/望遠3xを織り交ぜている。恐竜のオブジェと人物がポートレートモード。露出補正は必要に応じて調整。今回は、フォトグラフスタイル/標準のまま撮影。加えて短いがアクションモードの動画も撮ってみた。 作例 ※元サイズの画像が開きます 作例 ※元サイズの画像が開きます モデル:小彩 楓 動画のアクションモードはジンバル並みの手ブレ補正 使用感はさすがiPhone Pro。起動、AF、書き込み何1つ不満はない。また熱もAndroid搭載ハイエンドスマホなどと比較するとないに等しいほど熱くならない。 新搭載の2xは作例からも分かるように、結構使いやすい画角で、店などを外から撮るのにちょうどいい感じだ。ポートレートも近すぎず、望遠x3ほど遠すぎず。ほどよい距離感となる。パネルの明るさもピーク2,000cd/平方mとなり、炎天下でもよく見えるようになった。これらだけでもiPhone 14 Proの価値があると言っても過言ではない。 絵的には13 Proと少し比べながら撮っていたが、明るいところだとあまり差がないような気がするものの、若干色が薄くなった感じがする(13 Proは濃すぎた。特に空の色)。メインセンサーの大型化と4ピクセルを1ピクセルに扱う仕掛けは、暗い時に有利なようチューニングしている感じだ。いずれにしてもスマホでこれだけ写れば十分ではないだろうか。 動画のアクションモードはごらんの通り。階段を下りながら小走りしながらなのに全くブレてないのが分かる。まさにジンバルいらず! ちょっと驚いた部分だ。 ただハイエンドのスマホなので少し辛口で書くが、まずゴーストが相変わらず盛大に出る。12 Pro Maxで指摘しているので3世代経っても変わらない部分だ。同社のカメラ担当は撮ってて気にならないのだろうか……。次に夜景は背景の暗い部分がやたらと浮く。掲載した作例もこの関係で、ほとんど露出をマイナス補正している。夜景に強いと言いたい気持ちは分かるが、ほどほどにしないと、闇夜がグレイだと興ざめするシーンが結構ある。 少し厳しいことも書いたが、もちろんトータル的にスマホとしてはトップクラスのカメラとなる。これだけの物が常にポケットやカバンに入っているのだから、シャッターチャンスにはめっぽう強い。あと編集機能であったらいいのにと思うのは、Neural Engineをフルに使った消しゴムだろうか。 ロック画面のカスタマイズやPro(Max)固有のDynamic Islandなどに対応したiOS 16 OSはiOS 16。初期起動時のホーム画面は2画面。1画面目は13 Proの初期状態と同じだが、2画面目は1つ減り、ユーティリティフォルダの中も減っている。下にDock。電話、Safari、メセージ、ミュージック。この辺りは変わっていない。 筆者は該当するSIMを持っていないので詳細は不明だが、SIMの扱いが少々変わり、eSIM化可能な物理SIMの場合、eSIMへ変更するかのパネルが出るようなった。eSIMはうまく行っている時は問題ないが、機種変時の移動などでトラブルと(日本では)結構面倒なことになることもあり慎重に扱いたいところ。 Home(1/2) Home(2/2) ユーティリティフォルダ コントロールパネル ウィジェット 情報 設定 > モバイル通信を設定(SIM無しの時) 設定 > モバイル通信 iOS 16になって大きく変わったのがロック画面、そして14 Pro(Max)ではDynamic Island対応となる。ロック画面は時計のフォントを変えたりウィジェットを配置したり、好みに応じてカスタマイズ可能。また複数の設定を保持し、左右のスワイプで切り替えることができる。おそらく真っ先に触る部分だろう。 Dynamic Islandは、言い方は悪いが、ごまかしのテクニックだ(忍法隠れ身の術)。13 Proまでは上まで切り込み(パネルがない黒い部分)が入っている関係で対応できないが、14 Proではご覧のように前面カメラ周囲が楕円の切り抜きとなり、そこをうまく使って(使わず)通知などを表示。当然もともと楕円の部分は黒いままなので、周囲を黒塗りで雰囲気を出している。掲載した画面キャプチャの様に2パターンあり、アニメーションしながらこのサイズになる。 ロック画面のカスタマイズ Dynamic Island アプリは、「カメラ」、「写真」、「ヘルスケア」、「メッセージ」、「電話」、「FaceTime」、「メール」、「ミュージック」、「ウォレット」、「Safari」、「マップ」、「Siri」、「カレンダー」、「iTunes Store」、「App Store」、「メモ」、「連絡先」、「ブック」、「ホーム」、「天気」、「リマインダー」、「時計」、「TV」、「株価」、「計算機」、「ボイスメモ」、「コンパス」、「Podcast」、「Watch」、「ヒント」、「探す」、「設定」、「ファイル」、「計測」、「拡大鏡」、「ショートカット」、「翻訳」。 加えて、「iMovie」、「Pages」、「Keynote」、「Numbers」、「GarageBand」、「Apple Store」、Trailers」、「iTunes Remote」、「Clips」、「サポート」。 新機能としては、メールは送信後に修正/取り消しが可能、集中モード/ロック画面連携、バッテリの残量%表示、パスワード不要の「パスキー」、Safariの共有タブグループ、Apple Watchを使わずフィットネス……など、大小さまざまな機能が追加されている。 加えて14 Proでは、衝突事故検出(搭載しているセンサーが従来から変わっている)、衛星経由の緊急SOS(国限定)にも対応。使わずに済めばいい機能だが、あるに越したことはない感じか。 12 Pro、13 Proを経て順当にパフォーマンスが向上! ベンチマークテストは簡易式でGeekBench 5とGoogle Octane 2.0の結果を掲載した。GeekBench 5はSingle-core 1,870(1,723/1,595)、Multi-core 5,391(4,642/4,121)、Metalは15,637(14,252/9,383)。Google Octane 73,176(62,642/58,529)。カッコ内は順にiPhone 13 Pro/iPhone 12 Pro Max。順当にパフォーマンスが向上しているのが分かる。 バッテリ駆動時間は、明るさ、音量ともに50%。Wi-Fi接続でフルHD動画を連続再生したところ約13時間でバッテリが切れた。このテストに限っては13 Proと同じ結果となった。 GeekBench 5(Single-core / Multi-core)。1,870(1,723/1,595) / 5,391(4,642/4,121) GeekBench 5(Metal)。15,637(14,252/9,383) Google Octane 2.0。73,176(62,642/58,529) 12時間経過して残14% 最後に余談になるが、13 Proから14 Proへの乗り換えは今回(まずは)見送った。確かにカメラの画質は上がっているし、動画ではジンバル並の手ブレ補正も見事。速度も向上。13 Proと比較して劣る部分は当たり前だが全くない。 とは言え、ソーシャルメインであれば既に13 Proでも十分速く、またいつも撮ってる被写体はそこまで差が出ない(出ても気にならない)範囲。ロック画面の常時表示、Dynamic Islandは、あれば嬉しいが、なくても特に困らない。12 Pro(Max)から13 Proのようにグッと来るものがないのだ。 ただまだ13 Proは結構な買取価格が付いているため、差額を考えると買えない金額ではなく、目の前に物があるとつい買ってしまう危険性は残っている(笑)。
以上のようにApple「iPhone 14 Pro」は、A16 Bionic、4,800万画素メインカメラ、Dynamic Islandなどを搭載した2022年版iPhone Proだ。13 Proから一番変わったのはメインカメラだが、そのほかにもいろいろ細かく機能追加/拡張し、トータル的に13 Proを上回る体験が可能となる。ここを個別で見て13 Proの+αと考えるか、14 Proは別物と考えるかは、使う側が何に趣を置くかによる感じだろうか。 既に店頭にも出回っているので興味のある方は是非触って頂きたい。もちろん12 Pro以前からの乗り換えは、絶対おすすめとなる。
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