Google「Pixe 7」、「Pixel 7 Pro」
Googleから、最新スマートフォン「Pixel 7」および「Pixel 7 Pro」が登場した。今回、発売前にいち早く実機を試用する機会を得たので、ハード面を中心に紹介する。なお、試用機はファームウェアやアプリなど製品版とは異なる部分が残されている可能性があるため、その点はご了承願いたい。
Pixel 6シリーズのデザインを継承
Pixel 7およびPixel 7 Proのデザインは、従来モデルのPixel 6シリーズのデザインコンセプトをほぼ踏襲している。
側面がメタルフレーム、ディスプレイ面および背面には強化ガラスを採用するとともに、背面上部には両側面まで帯状に大きく飛び出したカメラユニット「カメラバー」を配置。側面メタルフレームは、Pixel 7がマット仕上げ、Pixel 7 Proが光沢仕上げとなっている点も、Pixel 6シリーズ同様だ。
そういった中、カメラバーはデザインが変更されている。Pixel 6シリーズのカメラバーは上下がメタルフレームでそれ以外の部分はガラスで覆われていた。それに対しPixel 7シリーズでは、カメラバーのほぼ全体がメタル素材で構成され、カメラやLEDライトの部分がくり抜かれたデザインに変更。
これによって、カメラバーの側面フレームとの一体感が高められるとともに、レンズの存在感がより強調された印象を受けるようになった。個人的には、レンズがあまり目立たないPixel 6シリーズのデザインが好みだが、このあたりは意見が分かれそうだ。
カメラバーの突起の高さは、いずれも実測で2.5mmほど。Pixel 6シリーズのカメラバーも実測で約2.5mmの突起だったため、高さは従来とほぼ同等だ。
なおカメラバーのメタル部分は、側面フレーム同様にPixel 6がマット仕上げ、Pixel 6 Proが光沢仕上げとなっている。
Pixel 7
正面。ガラスはGorilla Glass Victusを採用
背面。試用機のカラーはSnow。こちらもガラスにGorilla Glass Victusを採用
下部側面
左側面
上部側面
右側面
Pixel 7 Pro
正面。従来同様ガラスはGorilla Glass Victusを採用
背面。試用機のカラーはObsidian。こちらもガラスにGorilla Glass Victusを採用している
下部側面
左側面
上部側面。赤外線ポートのように見える部分は、5G ミリ波用のアンテナ窓だ
右側面
左がPixel 7、右がPixel 7 Pro。Pixel 7のほうがひとまわり小さい
背面比較。左がPixel 7、右がPixel 7 Pro
Pixel 7のカメラバー。ほぼ全体がメタルで構成され、レンズ部やLEDフラッシュ部がくり抜かれ、側面フレームと一体構造となった。マット調の加工が施されている
Pixel 6のカメラバー(右)との比較。カメラバーやレンズの存在感がより強調されている印象だ
こちらはPixel 7 Proのカメラバーだが、Pixel 7と同様に全体がメタル素材で側面フレームと一体となった。光沢仕上げとなっている点が異なる
Pixel 6 Proのカメラバー(右)との比較。望遠レンズが加わっていることで、よりカメラの存在感が増している
カメラバーの突起の高さは、いずれも2.5mmほど
側面およびカメラバーのメタル素材には、100%リサイクル素材のアルミニウムを採用。Pixel 6シリーズでもリサイクルアルミニウムを採用していたが、その点はPixel 7シリーズでも受け継がれている。
側面フレームはなだらかな曲線となり、ディスプレイ面および背面のガラスとわずかな段差で接合されている。これによってゴツゴツとした手触りが少なくなっている。ただし、大きく突起しているカメラバー部分が手に触れるとゴツゴツとした印象が一気に高まるのは従来同様。また、フレーム、ガラスともになめらかで滑りやすいため、安心して持ち歩きたいならケースの装着をお勧めしたい。
ディスプレイ面と背面の強化ガラスには、Pixel 7、Pixel 7 ProともにCorning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用。Pixel 6では背面ガラスにGorilla Glass 6を採用していたので、この点は強化された形だ。ガラスはいずれも光沢仕上げとなっている。
本体カラーは、Pixel 7がObsidian、Snow、Lemongrassの3色を、Pixel 7 ProはObsidian、Snow、Hazelの3色をそれそれ用意。今回の試用機は、Pixel 7がSnow、Pixel 7 ProがObsidianだったが、Snowは清潔感があって好印象。Pixel 7 ProのObsidianは光沢感のある黒ということで重厚感が伝わってくる。指紋の痕は比較的つきにくいようだが、Obsdianではやや目立つ印象で、そこが少々気になった。
Pixel 7の側面。100%リサイクル素材のアルミニウムを採用しており、なだらかな曲線で、ディスプレイ面や背面の強化ガラスとわずかな段差で接合。フレーム部はマット仕上げとなっている
Pixel 7 Proの側面も、Pixel 7とほぼ同じ仕様だが、フレームが光沢仕上げとなっている点が異なる
Pixel 7は小さく軽くなった
本体サイズにも従来モデルから変更が見られる。
まずPixel 7は、サイズが73.2×155.6×8.7mm(幅×奥行き×高さ)となった。Pixel 6と比べると、幅が1.6mm、奥行きが3mm、厚さが0.2mmと、それぞれ短くなっている。実際に手に持って持ち比べてみても、それほど違いは分からないものの、横に並べてみると結構小さくなったという印象を受ける。
この小型化の要因は、ディスプレイサイズが6.3型に小型化しているからだ。とはいえ、まだまだ小型とは言えないほどのサイズなのは間違いない。ただ個人的には、Pixel 5までのようにさらなる小型化を追求してもらいたかったように思う。なお、従来モデルと比べてディスプレイサイズの違いはそれほど気にならなかった。
また、重量も197gと200gを切っている。Pixel 6は207gだったため、10gの軽量化を実現している。持ち比べると、わずかながらPixel 7が軽いかな、といった程度で、そこまで大きな違いとは感じない。それでも、数字を見ると200gを切っていることが印象を大きく変える。もちろん、まだ重いのは事実だが、少なくとも200gを切ってきた点は評価したい。
Pixel 7(左)とPixel 6(右)の比較。並べるとPixel 7はPixel 6より小さくなっていることがよく分かる
Pixel 7(左)とPixel 6(右)の正面の比較。ディスプレイサイズがPixel 7は6.3型、Pixel 6は6.4型だが、それほど大きな違いは感じられない
Pixel 7を手に持った印象。Pixel 6より小さくなっているとはいえ、特別小さいとは感じない。できればもっと小型化してほしかった
Pixel 7の重量は公称197g。SIM被装着時の実測は196.5gだった
続いてPixel 7 Pro。こちらはサイズが76.6×162.9×8.9mm(同)となっている。Pixel 6 Proと比べると、厚さは双方同じだが、幅が0.7mm増え、高さは1mm短くなっている。このサイズの違いは、側面フレームの形状の違いによるものと考えられる。実際にPixel 7 Proでは上下側面のフレームの厚みがPixel 6 Proよりも薄くなっているようだ。
このようにサイズにわずかな違いは見られるが、双方を横に並べて比べない限り、その違いはほとんど感じない。実際に手に持っても手も、違いは全く感じなかった。
重量は212gと、Pixel 6 Proから2g増えている。こちらも持ち比べて違いが分かるほどではないものの、重量増はやはり残念な部分。このサイズと、内蔵される機能などを考えると仕方がないかもしれないが、軽量化にももう少し真剣に取り組んでもらいたいと感じる。
Pixel 7 Pro(左)とPixel 6 Pro(右)の比較。並べても大きさの違いはほとんど感じない
Pixel 7 Pro(左)とPixel 6 Pro(右)の正面の比較。こちらもほとんど違いが感じられない
Pixel 7 Proは、実際に手にするとやはりかなり大きく重く感じる
Pixel 7 Proの重量は公称212g。SIM被装着時の実測も212gだった
Pixel 6シリーズとの正面の比較。左からPixel 7、Pixel 6、Pixel 7 Pro、Pixel 6 Pro
同じくPixel 6シリーズとの背面の比較。左からPixel 7、Pixel 6、Pixel 7 Pro、Pixel 6 Pro
SoCに第2世代「Tensor G2」を採用
Pixel 6シリーズでは、SoCとしてGoogle初の独自設計SoC「Google Tensor」の採用が大きな話題となった。その次世代モデルであるPixel 7シリーズには、Tensorの第2世代モデルとなる「Google Tensor G2」を搭載している。
Tensor G2では、CPUコアが超高性能コアを2コア、高性能コアを2コア、高効率コアを4コアの計8コア搭載する点は従来のTensorと同じ。ただ、超高性能コアのCoretex-X1は動作クロックが高められ、高性能コアはコアがCortex-X78に変更するとともに動作クロックが高められている。これによって処理能力の向上を実現するとともに、電力効率も高めている。
GPUはMali-G710 MP7に変更されており、こちらも従来のTensorから描画能力の向上が期待できる。
そして、特にGoogleが大きな進化点として強調しているのが、機械学習用プロセッサとして「次世代TPU(Tensor Processing Unit)」を採用している点。従来のTPUと比べて処理能力が60%高められ、電力効率も20%改善しているという。これによって、Pixelシリーズが得意とする機械学習を活用した機能の多くで性能強化が期待できる。Pixel 7シリーズでは、後ほど紹介するように写真関連機能を中心として機械学習機能が進化しており、そこに次世代TPUの性能向上が大きく寄与している。
Pixel 7シリーズには、Google独自設計SoCの第2世代モデル「Tensor G2」を搭載
Tensor G2では、機械学習用プロセッサが「第2世代TPU(Tensor Processing Unit)」となり、処理能力が大きく高められている
以下の表にまとめたのがPixel 7、Pixel 7 Proの主な仕様だが、SoC以外のスペックも、Pixelシリーズのフラグシップモデルとして納得の仕様となっている。
RAMは、Pixel 7が8GB、Pixel 7 Proが12GBと十分な容量を搭載。内蔵ストレージ容量は、Pixel 7が128GBまたは256GB。Pixle 7 Proはグローバルモデルでは512GBも用意されるが、日本向けモデルでは128GBまたは256GBとなる。OSはAndroid 13で、5年間のセキュリティアップデートが提供される。