Xperia 1 IV
ソニーは、スマートフォン「Xperia」シリーズ最新モデル「Xperia 1 IV」「Xperia 10 IV」「Xperia Ace III」の3機種を発表した。いずれも日本を含むワールドワイドで発売される。国内向けモデルは、Xperia 1 IVが6月上旬以降、Xperia 10 IVが7月上旬以降、Xperia Ace IIIが6月中旬以降の発売を予定している。
なお、本記事で紹介しているのは基本的にグローバルモデルの仕様となる点、ご留意願いたい。
Xperia 1 IV
Xperia 1 IVは、Xperiaシリーズの最新フラグシップモデルで、Xperia 1 IIIの後継となる。
デザインは従来モデルから大きな変更はなく、メタルフレームにガラスを組み合わせた筐体となっているが、背面ガラスと側面フレームは従来よりもフラットに接合されるようになっている。ガラスには従来同様の米国Corning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し、背面ガラスがフロストガラス仕様となる点も同様。筐体色はブラック、アイスホワイト、パープルの3色を用意。
デザインは従来モデル同等も、背面ガラスと側面フレームがよりフラットに接合
ブラック
アイスホワイト
パープル
【表1】Xperia 1 IVの主なスペック
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SoC
| Snapdragon 8 Gen1
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メモリ
| 12GB
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内蔵ストレージ
| 256GBまたは512GB
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外部ストレージ
| microSD
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ディスプレイ
| 6.5型有機EL、4K(1,640×3,840ドット)、アスペクト比21:9 HDR、リフレッシュレート最大120Hz
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リアカメラ
| 超広角:16mm/F2.2、1/2.5型1,200万画素 広角:24mm/F1.7、光学式手ブレ補正、1/1.7型1,200万画素 望遠:85-125mm/F2.3-2.8 光学式ズーム、光学手ブレ補正、1/3.5型1,200万画素 全センサー120fps高速読み出し対応
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フロントカメラ
| 1/2.9型1,200万画素、4K HDR動画撮影対応
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5Gネットワーク
| Sub-6/ミリ波(対応モデルのみ)
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対応SIM
| Nano SIM+eSIM(地域によって異なる)
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オーディオ
| フロントステレオスピーカー「フルステージステレオスピーカー」(低域音圧向上)、3.5mmオーディオジャック DSEE Ultimate/360 Reality Audio/360 Reality Audio Upmix/Music Pro
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防水・防塵
| IP65/68
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生体認証機能
| 電源ボタン一体型指紋センサー
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外部ポート
| USB Type-C、3.5mmオーディオジャック
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バッテリ容量
| 5,000mAh
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サイズ(幅×奥行き×高さ)
| 71×165×8.2mm
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重量
| Sub-6対応モデル:185g、Sub-6/ミリ波対応モデル:187g
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カラー
| ブラック、アイスホワイト、パープル 背面カメラは、従来同様の超広角、広角、望遠、3D iTOFの4眼仕様となるが、その中身は大きく進化している。 最も大きく進化しているのが望遠レンズで、従来は焦点距離を70mmと105mm(いずれも35mm換算)に切り替えて利用できる可変式望遠レンズを採用していたのに対し、1 IVでは85-125mm(同)/F2.3-2.8の光学式ズームレンズを新たに採用。ソニーによると、望遠光学式ズームレンズを搭載するスマートフォンはこれが世界初とのこと。これにより、85-125mmの望遠レンズ全領域でデジタルズームを利用することなく撮影が可能となった。 望遠レンズ以外は、超広角レンズが16mm(同)/F2.2、広角レンズが24mm(同)/F1.7と従来と同じで、広角レンズと望遠光学式ズームレンズには光学式手ブレ補正機構も搭載する。望遠レンズを含め全レンズがZEISSレンズで、T*コーティングが施される。 イメージセンサーは、超広角レンズが1/2.5型1,200万画素、広角レンズが1/1.7型1,200万画素、望遠レンズが1/3.5型1,200万画素のセンサーをそれぞれ採用。そして、全てのセンサーが120fps高速読み出しに対応となり、全レンズでリアルタイム瞳AFやオブジェクトトラッキング、秒間20コマのHDR対応AF/AE追従連写、4K/120fps 5倍スローモーション撮影、ハイフレームレート動画撮影などの利用が可能となった。 超広角、広角、望遠、3D iTOFの4眼仕様は従来同様だが、望遠レンズが光学式ズームレンズへ進化し、全レンズに120fps高速読み出し対応センサーを採用 望遠レンズは85-125mm/F2.3-2.8の光学式ズームレンズを採用 全レンズでリアルタイム瞳AFやオブジェクトトラッキング、秒間20コマのHDR対応AF/AE追従連写、4K/120fps 5倍スローモーション撮影、ハイフレームレート動画撮影などが可能 また、動画撮影機能も強化され、全レンズ重ね合わせ処理による広ダイナミックレンジでの動画撮影や、望遠レンズでの動画撮影時の「FlawlessEye」対応の光学式手ブレ補正機構「Optical Steady Shot」への対応、動画撮影時の16mmから375mmのシームレスズームなどが行なえるようになった。なお静止画撮影時にはシームレスズームは行なえず、従来同様にレンズごとのズーム操作となる。 前面カメラは、従来よりも大型の1/2.9型1,200万画素センサーを採用。感度が向上するとともに、前面カメラでも4K HDR動画の撮影が可能となっている。 全レンズ重ね合わせ処理による広ダイナミックレンジでの動画撮影に対応 動画撮影時の16mmから375mmのシームレスズームが可能に 写真作例 動画撮影アプリとして、Xperia PRO-Iより搭載されている「Videography Pro」を追加。またVideography Proも進化し、新たにストリーミングモードを用意。Videography ProからYouTubeへ直接ライブ配信が可能となった。専用Bluetoothグリップを利用すれば、長時間の撮影が可能となる「撮影持続モード」が利用可能となり、長時間のライブ配信にも対応。 さらに、外部モニター機能経由でのライブ配信も可能で、外部カメラを利用したライブ配信も行なえる。このほか、アクセサリーの外部モニター「Vlog monitor」の利用にも対応し、背面カメラを利用した自撮りやライブ配信も行なえる。 動画撮影アプリ「Videography Pro」を追加 Videography Proにストリーミングモードが用意され、YouTubeへ直接ライブ配信が可能 外部モニター機能経由で外部カメラを利用したライブ配信も可能 オプションのVlog Monitorにも対応し、背面カメラを利用した自撮りやライブ配信も可能 ゲーム関連機能では、ゲーム向けアプリ「ゲームエンハンサー」にストリーミングモードが新たに用意され、ゲームプレイのライブ配信が可能となった。同時に、視聴者のコメントをオーバーレイ表示させながらゲームをプレイしたり、ライブ配信時の画面レイアウトの簡易的なカスタマイズも可能。さらに、より本格的な配信者向けの機能として、1 IVから直接配信者の声とゲーム音をPCに転送できる機能も用意。その場合、配信者の音声とゲーム音をミキシングして1チャンネルで転送するだけでなく、別々のチャンネルで転送することも可能。 ゲームエンハンサーにストリーミングモードが用意され、ゲームプレイのライブ配信が可能 視聴者のコメントをオーバーレイ表示させてゲームをプレイしたり、ライブ配信時の画面レイアウトのカスタマイズも可能 オーディオ関連機能では、音質および音圧が向上したフルステージステレオスピーカーを新たに搭載。新しいドライバーとエンクロージャーの採用で、低音域の音圧が20~50%向上している。このほか、Bluetooth LE Audioにもアップデートで対応予定。 また、プロレベルの録音体験を提供するアプリ「Music Pro」も新たに用意。クラウド処理によりノイズや残響特性を除去し、ソニーの高性能真空管マイクの周波数特性やスタジオ録音機材が持つ繊細で良質な響きを再現することで、プロレベルの音楽録音を実現するという。クラウド処理は、初月100MBまでは無料で、月額課金(月額580円)を予定している。 音質および音圧が向上したフルステージステレオスピーカーを新たに搭載 クラウド処理でプロレベルの録音体験を提供するアプリ「Music Pro」 ディスプレイは、アスペクト比21:9の6.5型有機ELパネルを採用。表示解像度は4K(1,640×3,840ドット)で、HDR表示、リフレッシュレート最大120Hzに対応する点は従来同様だが、1 IVでは輝度が従来より約50%向上。視聴環境やコンテンツに応じてフレームごとに解析を行ない、輝度のトーンカーブを最適化し、HDRコンテンツの視認性を向上させる「リアルタイムHDRドライブ」も新たに搭載している。 アスペクト比21:9の4K 6.5型有機ELパネルは従来より輝度が約50%向上 SoCはSnapdragon 8 Gen1を採用し、5GはSub-6対応と、Sub-6/ミリ波対応の2モデルを用意。SIMは、Nano SIMに加えてeSIMにも対応する。RAMは12GB、内蔵ストレージは256GBまたは512GB。外部ストレージとしてmicroSDカードも利用可能。外部ポートは、USB Type-Cと3.5mmオーディオジャックを用意。 バッテリ容量は5,000mAhで、3年間劣化しにくく、30分で約50%まで充電できる急速充電が可能。ワイヤレス充電、おすそわけ充電にも対応。防水・防塵性能はIP65/68準拠。国内モデルはおサイフケータイをサポート。 物理ボタンは、指紋認証センサー一体型電源ボタン、ボリュームボタン、シャッターボタンを用意。従来用意されていたGoogleアシスタントボタンは廃止された。 サイズは71×165×8.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量はSub-6対応モデルが185g、Sub-6/ミリ波対応モデルが187g。 Xperia 10 IV Xperia 10 IV Xperia 10 IVは、ミドルレンジモデルXperia 10 IIIの後継モデルとなる。 こちらもデザインは従来モデルを踏襲。ディスプレイ面は上下、左右それぞれの幅が均一のシンメトリデザインを採用し、背面にもガラスを採用する点も同様だ。ディスプレイ面のガラスには米国Corning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し、強度が高められている。カラーはブラック、ホワイト、ミント、ラベンダーの4色。 サイズは67×153×8.3mm(幅×奥行き×高さ)と、幅と奥行きが従来モデルから1mmずつ短くなった。また、重量も161gと8gの軽量化を実現。しかもバッテリ容量は5,000mAhと、このクラスとしてトップクラスの大容量。ソニーによると、5,000mAhのバッテリを搭載する5Gスマートフォンとして世界最軽量とのこと。なお、バッテリは1 IV同様に3年間劣化しにくい仕様となる。 幅と奥行きが従来モデルより1mmずつ短くなり、重量は161gと軽量 5,000mAhの大容量バッテリを搭載し、5,000mAhのバッテリを搭載する5Gスマートフォンとして世界最軽量を実現 背面カメラは、16mm超広角、27mm広角、54mm望遠の3眼仕様。このうち広角レンズには光学行き手ブレ補正機構を搭載し、動画撮影時には電子手ブレ補正と組み合わせたハイブリッド手ブレ補正が利用できる。 また、逆光や暗い場所での白飛び、黒つぶれを防止するオートHDR、RAWレベルでのノイズ処理でクリアな夜景が撮影できるナイトモード、日中の動画撮影で白飛びや黒つぶれを抑制するビデオ逆光補正(広角、望遠レンズのみ)など、低照度などでの撮影体験を向上。さらに、ソフトウェアアルゴリズムの進化した超解像ズームで、デジタルズームでも解像感のアップした撮影が可能となっている。 ディスプレイはアスペクト比21:9、表示解像度フルHD+(1,080×2,520ドット)の6型有機ELパネルで、従来モデルと比べて輝度が約1.5倍に向上。SoCはSnapdragon 695 5Gで、RAMは6GB、内蔵ストレージは128GB。5GはSub-6のみ対応で、SIMはNano SIMとeSIMが利用できる。外部ポートはUSB Type-Cと3.5mmオーディオジャックを用意。IP65/68準拠の防水・防塵仕様にも対応する。 背面カメラは、16mm超広角、27mm広角、54mm望遠の3眼仕様で、光学レンズには光学式手ブレ補正を搭載 ディスプレイはアスペクト比21:9のフルHD+ 6型有機ELパネルで、従来モデルと比べて輝度が約1.5倍に向上
【表2】Xperia 10 IVの主なスペック
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SoC
| Snapdragon 695 5G
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メモリ
| 6GB
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内蔵ストレージ
| 128GB
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外部ストレージ
| microSD
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ディスプレイ
| 6型有機EL、フルHD+(1,080×2,520ドット)、アスペクト比21:9、HDR、従来より輝度が約1.5倍に向上
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リアカメラ
| 超広角:16mm/F2.2、800万画素 広角:27mm/F1.8、1,200万画素、光学式手ブレ補正 望遠:54mm/F2.2、800万画素
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フロントカメラ
| 800万画素
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5Gネットワーク
| Sub-6
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対応SIM
| Nano SIM+eSIM(地域によって異なる)
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オーディオ
| 3.5mmオーディオジャック、ハイレゾ音源/DSEE Ultimate/360 Reality Audio/360 Reality Audio Upmix
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防水・防塵
| IP65/68
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生体認証機能
| 電源ボタン一体型指紋センサー
|
外部ポート
| USB Type-C、3.5mmオーディオジャック
|
バッテリー容量
| 5,000mAh
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サイズ(幅×奥行き×高さ)
| 67×153×8.3mm
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重量
| 161g
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カラー
| ブラック、ホワイト、ミント、ラベンダー Xperia Ace III Xperia Ace III Xperia Ace IIIは、エントリーモデルXperia Aceシリーズの最新モデルで、シリーズ初の5G対応モデルとなる。 サイズは69×140×8.9mm(幅×奥行き×高さ)と、従来同様の小型筐体を維持しつつ5G対応を実現。加えて、3年間劣化しにくい4,500mAhの大容量バッテリも搭載。ソニーによると、容量4,500mAhのバッテリを搭載する5Gスマートフォンとして世界最小ボディ(面積)とのこと。 筐体には傷の目立ちにくいテクスチャー加工を施すとともに、ディスプレイ面には米国Corning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し、強度を高め長期間安心して利用できるよう工夫。また、エントリーモデルらしくかんたんホームを標準で用意する。 従来同様の小型筐体を維持しつつ5Gに対応。容量4,500mAh以上のバッテリを搭載する5Gスマートフォンとして世界最小筐体を実現 背面カメラは、1/3型1,300万画素センサーに、26mm(35mm換算)/F1.8の明るいレンズを組み合わせており、背面をぼかしたポートレート撮影や、逆光シーンでも鮮やかな写真が撮影できるオートHDRに対応する。前面カメラは500万画素。 このほか、エントリーモデルながらシリーズ初となるハイレゾ音源に対応し、指紋認証やおサイフケータイ、IP65/68準拠の防水・防塵仕様など、国内向け端末として必要となる機能もしっかり網羅している。外部ポートはUSB Type-Cと3.5mmオーディオジャックを用意。 カラーは、ブラック、グレー、ブリックオレンジ、ブルーの4色を用意。 かんたんホームを標準で用意 背面カメラは、1/3型1,300万画素センサーに、26mm/F1.8の明るいレンズの組み合わせ
【表3】Xperia Ace IIIの主なスペック
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SoC
| Snapdragon 480
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メモリ
| 4GB
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内蔵ストレージ
| 64GB
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外部ストレージ
| microSD
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ディスプレイ
| 6型有機EL、フルHD+(1,080×2,520ドット)、アスペクト比21:9、HDR、従来より輝度が約1.5倍に向上
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リアカメラ
| 26mm/F1.8、1/3型1,300万画素
|
フロントカメラ
| 500万画素
|
5Gネットワーク
| Sub-6
|
対応SIM
| Nano SIM+eSIM(地域によって異なる)
|
オーディオ
| 3.5mmオーディオジャック、ハイレゾ音源/LDAC
|
防水・防塵
| IP65/68
|
生体認証機能
| 電源ボタン一体型指紋センサー
|
外部ポート
| USB Type-C、3.5mmオーディオジャック
|
バッテリ容量
| 4,500mAh
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サイズ(幅×奥行き×高さ)
| 69×140×8.9mm
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重量
| 162g
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カラー
| ブラック、グレー、ブリックオレンジ、ブルー
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