税別価格
| 99,800円 SoCは先に書いたとおりSnapdragon 865 Plus。Snapdragon 865の強化版でCPU/GPU共に性能が向上している。メモリはLPDDR5 8GB、ストレージは256GB(UFS 3.1)を搭載。スペックだけみると軽くWindowsが動きそうな雰囲気だ。 ディスプレイは6.67型ナノエッジAMOLEDディスプレイ(2,400×1,080ピクセル)。リフレッシュレート90Hzなので表示もスムーズ。Gorilla Glass 6なので衝撃にも強い。色域はDCI-P3 110%(デルタE <1)。コントラスト100,000:1、最大700cd/平方m(100%APL)。 ネットワーク機能はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応、Bluetooth 5.1。SIMはNano SIMカードスロット×2。microSDカードとは別ですべて同時に使用可能だ。 対応バンドは表のとおり。5Gに対応しているがミリ波帯には未対応だ。5Gはまだエリアが激狭く、さらにミリ波となるとどこで使えるのか、というレベルなので、少なくとも後1年はLTEで良いのではと個人的には思っている。 余談になるが、つい先日Huawei P20 Pro、Huawei P30 Proを経て、メインスマートフォンを5G対応(ミリ波未対応)のXperia 1 IIへ機種変した。保証外だがSIMはLTEのまま使っている。 インターフェイスは、USB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、デュアルスピーカー、トリプルマイク。センサーは、GPS(GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS、NavICサポート)、加速度センサー、電子コンパス、光センサー、近接センサー、ジャイロスコープ、指紋センサー、カメラアングルセンサー、磁気センサー、NFC(Type A/B)を搭載。 カメラはフリップ式で前面/背面関係ないのも本機の特徴だ。広角(メインカメラ)が6,400万画素(F1.8、ソニーIMX686)、超広角が1,200万画素(ソニーIMX363)、望遠が800万画素。なおZenFone 7 Proのみメインカメラと望遠がOIS(手ぶれ補正)対応となる。メーカーによると最大20万回のフリップに耐える設計とのこと。 バッテリは、Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応の5,000mAhと大きめだ。バッテリケアと呼ばれる、充電制限(90%または80%で充電を停止)と、低速充電2.0(最大10W制限)で、充電中のバッテリ消耗を抑え、温度を最大34%低減させる機能も新たに搭載している。 駆動時間は、約10.7時間(Wi-Fi)、約9.5時間(LTE)、約6.1時間(5G)。これからもわかるように5G使用時はWi-Fiの約60%程度とパワーが必要となる。 サイズ約165×77.2×9.6mm(幅×奥行き×高さ)、重量約235g。パネルサイズやバッテリ容量、カメラ機構が複雑な分、重量は重めか。税別価格は99,800円。最近いろいろ5G対応機が発表されているものの、内容を考えれば妥当なところだろう。 カメラがフリップ式なのでノッチレス。フチはこの程度あるほうが使いやすい 上中央にカメラ群。オーロラブラックは角度によってグリーンがかる 左側面にmicroSD/SIMカードスロット。下側面にType-C、ステータスLED 右側面に音量±ボタン、電源ボタン(スマートキー)。上側面は何もない Nano SIMスロットは奥がSIM1、手前がSIM2。microSDカードとは独立している 付属品。ACアダプタ(出力5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2A、20V1.5A)、Type-Cケーブル、2種類のケース、イジェクトピン 重量は実測で237g iPhone Xとの比較。パネルの輝度はどちらも最大。パネルサイズ分だけ大きいのに加え厚みもある 今回手元に届いたのはオーロラブラック。基本黒なのだが見る角度によって少しグリーンがかっている。質感はメタリックな感じで同社のZenFoneらしい雰囲気だ。重量は実測で237g。iPhone Xが174g、縦長6.5型で少し大きめのXperia 1 IIで181g。iPhone 11 Pro Maxでさえ226g。これからわかるようにスマートフォンとしてはかなり重い。テストでいろいろ操作したが、長時間持ってると結構疲れる。 本体の前面はカメラがフリップ式なのでノッチレス。フチはこの程度あるほうが使いやすい。初回起動時ナビゲーションバーはソフトウェア式で表示しているが、設定で消すこともできる。背面は上中央にカメラ群。左側面にmicroSD/SIMカードスロット。下側面にType-C、ステータスLED。右側面に音量±ボタン、電源ボタン。 電源ボタンはスマートキーと呼ばれ、指紋センサーと一体化しており、設定によってすばやく2回クリックすると指定のアプリを起動したり、Wi-Fi、Bluetooth、懐中電灯などのオン/オフもできる仕掛けになっている。 付属品のACアダプタ(出力5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2A、20V1.5A)。Type-Cケーブル、2種類のケース、イジェクトピン。本体に3.5mmジャックがない上にType-C/3.5mm変換ケーブルもなく、有線によるオーディオをなくしているのが印象的だ。 6.67型ナノエッジAMOLEDディスプレイは、リフレッシュレート90Hzで表示も滑らか。もちろん明るさ、コントラスト、発色、視野角も超良好。仕様上、色域DCI-P3 110%(デルタE <1)。コントラスト比100,000:1、最大700cd/平方m(100%APL)と、なかなかのものを採用している。もちろんタッチの反応も問題ない。 発熱はベンチマークテストなど負荷をかけた状態だけでなく、通常運用時も少し長い時間触っていると少し暖かくなる。Snapdragon 865を搭載しているXperia 1 IIよりも暖かい印象で、筐体の差は当然あるだろうが最大クロックが上がっている分、若干熱を持つのかもしれない。 スピーカーの音質は荒っぽい感じだがパワーがあり、それなりに鳴る。ただ横位置のステレオ再生時、Type-C側に結構音が寄るのが気になった。なお「NePlayer for ASUS」がプリインストールされており、ハイレゾ再生にも対応している。 フリップ式で超広角/広角/望遠の3カメラ搭載 搭載しているカメラは、広角6,400万画素(F1.8、ソニーIMX686)、超広角1,200万画素(ソニーIMX363)、望遠(光学3倍)800万画素。ZenFone 7 Proの広角と望遠はOIS(手ぶれ補正)対応だ。フリップ式なので前面も背面も区別はない。Exifを見ると焦点距離と出力解像度は順に、6mm/3,432×4,576ドット、3mm/3,024×4,032ドット、7mm/2,448×3,264ドット。 上側から超広角、広角、LEDフラッシュ、望遠 フリップするカメラ モードは、PROビデオ、タイムラプス、スローモーション、モーショントラッキング、動画、写真、ポートレート、パノラマ、夜景、PROモード。 PROモードは、シャッタースピード32秒~1/10,000秒、ISO25~3,200、露出補正±2、ホワイトバランス2,500K~7,500Kなどに設定できる。なお、PROモードではフリップの位置を途中で止めることも可能だ。PROビデオはPROモード同様、ISO感度などいろいろなパラメータを設定できる。 ポートレートはいわゆる背景ぼかし+美人エフェクト(肌のトーン、ファンデ、美白、目の大きさ、小顔)だが、背面時と前面時で画角が自動的に変わってしまう。望遠での背景ぼかしは使いにくく、任意に設定できるようにしてほしいところだ。 フリップ式を活かしたモードとして、自動的にカメラが動いてパノラマ写真を撮影できる「オートパノラマ」、被写体を追いかける「モーショントラッキング」も搭載している。 カメラ/オート カメラ/PROモード 前面にフリップしてポートレートモード 設定(1/2) 設定(2/2) 表示/編集はギャラリー。ポートレートモードはあとからピン/ボケ調整可能 設定は、カメラ解像度、タイマー、夜間撮影を自動検出、AIシーン検出、タイムスタンプ、ASUSウォーターマークを挿入、タッチシャッター、AF自動調整、追跡オートフォーカス、ホワイトバランスの優先度設定、カメラのフリップ音、グリッド、場所サービス、ちらつき防止、音量ボタンを押した時の設定、クイックアングル撮影、クイックアングル撮影の復元。動画時は、動画の解像度、フォーマット(H.264、H.265)などの設定が可能だ。 以下作例36枚を掲載する。基本4:3のオート。シーンに応じて若干の露出補正、広角、超広角、望遠、ポートレート(バイク、赤提灯)、夜景(渋谷川、線路、最後1つ手前など)などを使っている。カメラの起動やオートフォーカスは速いが、撮影直後、少し固まる時間があり、写真を確認するのに一呼吸必要なのが気になった。 写りは可もなく不可もなくハイエンド機ならこの程度は写ってほしいところか。肌色は筆者の自撮りで確認したところ割と自然な感じだった(見苦しいので掲載していない)。美人エフェクトも各項目かなり効く。 作例 一般的に自撮り率は男性よりも女性のほうが圧倒的に高く、また別途アプリなどで美人エフェクト的な処理(肌のスムージング、小顔、目は大きく的な)をしているケースが多いようだ。そう言った意味では自撮りが写りの良いメインカメラで撮れ、同時に美人エフェクトできるのだから、本機はどちらかと言えば女性向きかもしれない。ただ大きく、重いのが難点となるだろう。 デュアルSIMカードだが5G 2枚差し利用はできない 本製品は指紋認証と顔認証に対応している。ただ顔認証は認識自体は速いが、毎回カメラがフリップするのであまり実用的ではなく、耐久性を考えても指紋メインで運用したほうが無難そうだ。 SIMは、microSDカードスロットとは独立して2つある。5G/4G/3G/2G回線の接続に対応しているが、5G SIMカードを2枚挿入しての同時使用はできない。5G対応以外は一般的なDSDV(デュアルSIMデュアルスタンバイ)対応と同じだ。 SIMロックフリー機は安価なMVNOで運用することが前提だろうから、現在MVNOの5Gはあるのかと調べたところ、対応しているのはLinksMate程度だった。じょじょに増えるだろうが、現時点で本機を購入した場合、LTEでの運用がほとんどだと思われる。そう言う筆者も手持ちはLTE SIMだけなので、今回はLTEでテストしている。 デュアルSIM 4G+5Gの項目がある Android 10ベースのZenUI 7搭載 初回起動時のホーム画面は2画面。1画面目はGoogleフォルダ、アシスタント、ギャラリー。2画面目はNetflix、Tootlsフォルダ、ニュース、NePlayer for ASUS、まんがお得、Facebook。Dockには電話、メッセージ、Google Play、Chrome、カメラを配置。 UIはZenUI 7だが、ベーシックなAndroid 10とあまりかけ離れてはいないためわかりやすい。ナビゲーションバーはデフォルトで表示だが、なしにしてジェスチャーでの操作も可能だ。ストレージは256GB中約20GBが使用中だった。 Home(1/2) Home(2/2) Googleフォルダ Toolsフォルダ 通知パネル(1/2) 通知パネル(2/2) ストレージ 端末情報 アプリは、「アシスタント」、「カメラ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「ドライブ」、「ニュース」、「ファイル」、「フォト」、「マップ」、「まんがお得」、「メッセージ」、「音声レコーダー」、「時計」、「設定」、「天候」、「電卓」、「電話」、「連絡先」、「ASUS Data Transfer」、「ATOK」、「Chrome」、「Duo」、「Facebook」、「Gmail」、「Google」、「Google One」、「Google Pay」、「i-フィルタ」、「Instagram」、「Messenger」、「NePlayer for ASUS」、「Netflix」、「Playストア」、「Playムービー&TV」、「Googleポッドキャスト」、「YouTube」、「YT Muisc」。Google系に加え、ソーシャル+αと言った感じで少な目だ。 アプリ一覧(1/2) アプリ一覧(2/2) ATOK NePlayer for ASUS ウィジェットは、「カレンダー」、「ドライブ」、「ホーム画面のヒント」、「マップ」、「時計」、「設定」、「天候」、「電卓」、「連絡先」、「ASUS Launcher」、「Chrome」、「Gmail」、「Google」、「Googleニュース」、「YouTube Music」。 壁紙/ウィジェット/ホームと編集/ユーザー設定 壁紙 ウィジェット(1/4) ウィジェット(2/4) ウィジェット(3/4) ウィジェット(3/4) ハイエンド機らしい性能とWi-Fiでの動画連続再生で10時間のバッテリ駆動 ベンチマークテストは簡易式だが「Geekbench 5.1.1」と「Google Octane 2.0」を使用した。GeekbenchはSingle-Core で1,013、Multi-Coreで3,380、OpenCLで3,732。Google Octane 2.0は25,687となかなかのスコアだ。 5,000mAhのバッテリを搭載する本製品でのバッテリ駆動時間は、輝度と音量50%、Wi-Fi経由でフルHD動画を全画面連続再生したところ約10時間で電源が落ちた。仕様上約10.7時間(Wi-Fi)なので同じ結果だ。 Geekbench 5.1.1 Google Octane 2.0 輝度/音量50%、Wi-Fi経由でフルHD動画を全画面連続再生。9時間経過で残10%
以上のようにASUS「ZenFone 7 Pro」は、5Gに対応するフリップ式カメラ搭載のハイエンドスマートフォンだ。少し安価なSnapdragon 865搭載の「ZenFone 7」も用意されているので、価格を優先して、そちらを選ぶのもありだろう。 重量など気になる部分もあるにはあるが、同社らしく堅実にまとめられたスマートフォンだ。5G対応のSIMロックフリー機を求めているユーザーの候補になり得る1台と言えよう。
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